布教したいゲームの話をする

あまりにも好きすぎて布教したいゲームの話を延々と垂れ流します。

メギドプレイヤーにアンライトのストーリーを強くオススメしたい

◎Unlightというゲームについて

 皆さん、突然ですが『Unlight』(以下:アンライト)というブラウザゲームをご存知でしょうか。株式会社テックウェイが世に送り出した対戦型育成カードゲームであり、多種多様な個性を持ったキャラクター達のカードを集め、育成し、ストーリーをクリアしていくシステムのゲームです。
 こちらのアンライトですが、記事を書いている現在(2018/9/24)、ゲームのサービスが終了しており、公式からの供給が望めない悲劇のゲームでもあります。このゲームは個性的なキャラクター(老若男女問わずにいるので好みのキャラが見つかると思います)、濃厚なストーリー(キャラクター一人一人にあります)、高水準なイラスト、面白いバトルシステム、一部のキャラのみですが豪華声優陣、などなど…売れる要素が多数ありながら、なぜか宣伝が異様に下手で全然露出がなく、マイナーゲームとしてその一生を終えたあまりに悲しい歴史があり、後続のアプリはファンですら苦言を呈すレベルの出来で大爆死→すぐにサービス終了という末路を辿りました。あまりの惨状にファンは毎日枕を濡らしています。

 さてゲームについて簡単に説明したところで本題なのですが、何故、サービスが終了したゲームの記事なんかを書いているかと言うと、このアンライトシリーズのキャラクターカードに付随するストーリーが、このまま埋もれさせるにはあまりに惜しい出来であり、凄まじさを皆さんに是非知ってほしいからです。とは言ってももうサービス終了してるゲームなんだし、ストーリーは読みようがないんじゃない?と思われる方もいると思いますが、有志による攻略wikiに文字起こしされたストーリーが多数残っており、今現在誰でも閲覧出来る状態になっています。こちらの記事を読んでストーリーに興味がわいたら、wikiのストーリー保管庫から是非読んでもらいたいです。倫理観のない(褒め言葉)ストーリーの数々があなたを襲います。

https://wikiwiki.jp/schizo/ (有志によるwiki)

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(キャラ絵の参考にわたしの推しキャラを貼っておきます)

◎「死」の描写への情熱を感じさせるキャラクターストーリー

 まず前提なのですが、アンライトのキャラクターストーリーはそのキャラクターが死ぬまでの過程が丁寧に描かれたストーリーです。アンライトは、導き手と呼ばれるプレイヤーが現世で死んだキャラクター達の力を借り、協力して敵と戦うという設定なので、そもそもゲーム開始時点でキャラクターが死んでいるという状態になっています(推しが死ぬ恐怖がなくていいですね)。キャラクターストーリーはゲーム時間軸の前、キャラクターの生前の姿であり、苦労してキャラクターストーリーを解放する度に着々と推しが死に向かうというやたら尖ったゲームデザインです。
 キャラクターが死ぬことがストーリーの最後、いわゆる目玉であるため当たり前のことなのですが、死に様がとにかく多種多様。オーソドックスに刺されて死亡する、戦いの中で死亡するなどはよくある話で、自殺したり自爆したり、動力が停止して事実上の死亡(人形という設定のキャラクターが一定数います)、果ては生きたまま焼かれる、死者の軍勢(所謂ゾンビのようなもの)に生きながら肉を噛みちぎられる、その他アンライトの世界観特有の死に方をしたりと、手を替え品を替えバリエーションに富んだ殺害方法を取ってきます。中には「主要キャラがこんな末路でいいの!?」と問いたくなるような無残でむごい死に方をするキャラクターもいて、その手の需要には絶対に答えてきます。

 ですが、キャラクターがひどい目に合うのは死に際だけではありません。死の直前じゃなくても生き地獄のようなむごい扱いをされている人がとにかく多いです。アンライトのキャラクター達は生きていた時代にかなりのバラツキがあり、年代が変われば情勢ももちろん変わるのですが、基本的には大体穏やかじゃない世界です。そういう世界なので多くのキャラクターが、いつ死ぬかわからない厳しい環境に身を置いています。戦争に駆り出されるなんて当たり前で、心優しい少女も特殊な能力があるばっかりに戦場に叩き出されたりします。キャラクターはいつでも死と隣り合わせ、それがある種の魅力でもあります。

◎とんでもない倫理観のなさ

※ここでの「倫理観がない」は「人がよく死ぬ、命が軽い」、「殺人、虐待等の人権を踏みにじる行為が平気で行われる」を指します。

 察しのいい方ならこの辺でなんとなくわかると思うのですが、アンライトはこういった世界観なので日常的に戦争が起き、殺人、大量虐殺、四肢欠損、児童虐待、拷問などの非人道的な行為がカジュアルに行われます。倫理観のない行為に対するフットワークがあまりに軽すぎる。一例をあげると、

・まだ年端もいかぬ少年が親にめちゃくちゃ虐待された挙句、助かるために親を殺害する
・ 戦いの中で流れるように腕を欠損する(しかも大した描写もなく当然のこととして処理される)
・謎の組織に捕縛され、実験のため繰り返し拷問される(体内に虫の卵を植え付けられる話があります)

などの倫理観のない行為が次々に描写されます。しかもやたら生々しい文章で表現されるのもポイント高いです。中には誇張とかなしに殺人、戦争、大量虐殺しかやってないストーリーも存在し、そのストーリーはラストのあまりの凄惨さからプレイヤーを震撼させました。「人が死ぬ音は生きている実感がするので好き」という文章が敵ではなく味方サイドのキャラクターの独白として出てきます。こんな危険人物を味方として傍に置くな。輪をかけてひどい点として、こういう明らかにやばい人物だけでなく、善人も普通に酷い目にあいます。最悪の平等。

 命がとにかく軽いのも特徴で、紙くずのようにモブの命が散っていきます。戦争が起これば当たり前ですが数万人の命が一瞬で奪われます。青年が自分の異常のせいで心を病んでおかしくなっていく話があるのですが、そういう話にすら突然大量虐殺が挿入された時は、ライターの倫理観がボンバーしているのではないかと本気で疑いました。
 プレイアブルキャラであろうと作中で用済みと判断されれば平気で殺され、しかも手を下すのも他のプレイアブルキャラ。様々な組織と思惑が入り乱れるストーリーなのでそういうことがかなりの頻度で起こります。部下が上司を焼肉にするシーンがあるのですが、初見は何が起こったのか分からなかったです。
 ループ能力を持つキャラクターがカジュアルに絶命と蘇生を繰り返す、死んだ兵士がゾンビとして復活し、そのゾンビがまた他の兵士を殺しゾンビの連鎖、そしてそのゾンビに生きながら肉を食いちぎられる人、枚挙に暇がないほど命の価値が低くて驚きます。人が死なない話はないと思ってください。

◎とにかく何も言わずに読んでくれ

 ここまでつらつらと書いてきても尚、まだ山ほど書きたいことがあるくらい倫理観ボンバーなシーンが立て続けに発生するアンライトですが、とにかくもう読んでくれ。これ以上語るとネタバレになるので、もうなんでもいいから読んでください。メギドの客層と絶対丸被りなので。ていうか別にメギドやってなくても人が死ぬ話に興味があるなら読んでください。絶対好きだから。

 アンライトは前述した通り、様々な組織が出てきて思惑が入り乱れ、しかも年代もバラバラなので一人のストーリーを読んだだけではわからない場面や単語が多々出てきます(実際、わたしも半分も理解出来ているか怪しいところもあります)。でもそういうのは一旦置いといて大丈夫です。とにかくその激ヤバ世界観がハマれば勝手に覚えます。細かいことは置いといて、とにかく公式ページから推しを見つけて読みましょう。そこから関連キャラを読み進めていけばいいです。読んでください。
 とりあえず数キャラ読んでみて、あなたの好きなアンライトのエピソードを見つけてください。そして凄惨なストーリーに疲れたら、イベントストーリーを合間に挟んでほっこりしてください。

 長々とお付き合いいただきありがとうございました。何かあったら追記します。素敵なアンライトライフを(サービス終了)