布教したいゲームの話をする

あまりにも好きすぎて布教したいゲームの話を延々と垂れ流します。

メギドプレイヤーにアンライトのストーリーを強くオススメしたい

◎Unlightというゲームについて

 皆さん、突然ですが『Unlight』(以下:アンライト)というブラウザゲームをご存知でしょうか。株式会社テックウェイが世に送り出した対戦型育成カードゲームであり、多種多様な個性を持ったキャラクター達のカードを集め、育成し、ストーリーをクリアしていくシステムのゲームです。
 こちらのアンライトですが、記事を書いている現在(2018/9/24)、ゲームのサービスが終了しており、公式からの供給が望めない悲劇のゲームでもあります。このゲームは個性的なキャラクター(老若男女問わずにいるので好みのキャラが見つかると思います)、濃厚なストーリー(キャラクター一人一人にあります)、高水準なイラスト、面白いバトルシステム、一部のキャラのみですが豪華声優陣、などなど…売れる要素が多数ありながら、なぜか宣伝が異様に下手で全然露出がなく、マイナーゲームとしてその一生を終えたあまりに悲しい歴史があり、後続のアプリはファンですら苦言を呈すレベルの出来で大爆死→すぐにサービス終了という末路を辿りました。あまりの惨状にファンは毎日枕を濡らしています。

 さてゲームについて簡単に説明したところで本題なのですが、何故、サービスが終了したゲームの記事なんかを書いているかと言うと、このアンライトシリーズのキャラクターカードに付随するストーリーが、このまま埋もれさせるにはあまりに惜しい出来であり、凄まじさを皆さんに是非知ってほしいからです。とは言ってももうサービス終了してるゲームなんだし、ストーリーは読みようがないんじゃない?と思われる方もいると思いますが、有志による攻略wikiに文字起こしされたストーリーが多数残っており、今現在誰でも閲覧出来る状態になっています。こちらの記事を読んでストーリーに興味がわいたら、wikiのストーリー保管庫から是非読んでもらいたいです。倫理観のない(褒め言葉)ストーリーの数々があなたを襲います。

https://wikiwiki.jp/schizo/ (有志によるwiki)

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(キャラ絵の参考にわたしの推しキャラを貼っておきます)

◎「死」の描写への情熱を感じさせるキャラクターストーリー

 まず前提なのですが、アンライトのキャラクターストーリーはそのキャラクターが死ぬまでの過程が丁寧に描かれたストーリーです。アンライトは、導き手と呼ばれるプレイヤーが現世で死んだキャラクター達の力を借り、協力して敵と戦うという設定なので、そもそもゲーム開始時点でキャラクターが死んでいるという状態になっています(推しが死ぬ恐怖がなくていいですね)。キャラクターストーリーはゲーム時間軸の前、キャラクターの生前の姿であり、苦労してキャラクターストーリーを解放する度に着々と推しが死に向かうというやたら尖ったゲームデザインです。
 キャラクターが死ぬことがストーリーの最後、いわゆる目玉であるため当たり前のことなのですが、死に様がとにかく多種多様。オーソドックスに刺されて死亡する、戦いの中で死亡するなどはよくある話で、自殺したり自爆したり、動力が停止して事実上の死亡(人形という設定のキャラクターが一定数います)、果ては生きたまま焼かれる、死者の軍勢(所謂ゾンビのようなもの)に生きながら肉を噛みちぎられる、その他アンライトの世界観特有の死に方をしたりと、手を替え品を替えバリエーションに富んだ殺害方法を取ってきます。中には「主要キャラがこんな末路でいいの!?」と問いたくなるような無残でむごい死に方をするキャラクターもいて、その手の需要には絶対に答えてきます。

 ですが、キャラクターがひどい目に合うのは死に際だけではありません。死の直前じゃなくても生き地獄のようなむごい扱いをされている人がとにかく多いです。アンライトのキャラクター達は生きていた時代にかなりのバラツキがあり、年代が変われば情勢ももちろん変わるのですが、基本的には大体穏やかじゃない世界です。そういう世界なので多くのキャラクターが、いつ死ぬかわからない厳しい環境に身を置いています。戦争に駆り出されるなんて当たり前で、心優しい少女も特殊な能力があるばっかりに戦場に叩き出されたりします。キャラクターはいつでも死と隣り合わせ、それがある種の魅力でもあります。

◎とんでもない倫理観のなさ

※ここでの「倫理観がない」は「人がよく死ぬ、命が軽い」、「殺人、虐待等の人権を踏みにじる行為が平気で行われる」を指します。

 察しのいい方ならこの辺でなんとなくわかると思うのですが、アンライトはこういった世界観なので日常的に戦争が起き、殺人、大量虐殺、四肢欠損、児童虐待、拷問などの非人道的な行為がカジュアルに行われます。倫理観のない行為に対するフットワークがあまりに軽すぎる。一例をあげると、

・まだ年端もいかぬ少年が親にめちゃくちゃ虐待された挙句、助かるために親を殺害する
・ 戦いの中で流れるように腕を欠損する(しかも大した描写もなく当然のこととして処理される)
・謎の組織に捕縛され、実験のため繰り返し拷問される(体内に虫の卵を植え付けられる話があります)

などの倫理観のない行為が次々に描写されます。しかもやたら生々しい文章で表現されるのもポイント高いです。中には誇張とかなしに殺人、戦争、大量虐殺しかやってないストーリーも存在し、そのストーリーはラストのあまりの凄惨さからプレイヤーを震撼させました。「人が死ぬ音は生きている実感がするので好き」という文章が敵ではなく味方サイドのキャラクターの独白として出てきます。こんな危険人物を味方として傍に置くな。輪をかけてひどい点として、こういう明らかにやばい人物だけでなく、善人も普通に酷い目にあいます。最悪の平等。

 命がとにかく軽いのも特徴で、紙くずのようにモブの命が散っていきます。戦争が起これば当たり前ですが数万人の命が一瞬で奪われます。青年が自分の異常のせいで心を病んでおかしくなっていく話があるのですが、そういう話にすら突然大量虐殺が挿入された時は、ライターの倫理観がボンバーしているのではないかと本気で疑いました。
 プレイアブルキャラであろうと作中で用済みと判断されれば平気で殺され、しかも手を下すのも他のプレイアブルキャラ。様々な組織と思惑が入り乱れるストーリーなのでそういうことがかなりの頻度で起こります。部下が上司を焼肉にするシーンがあるのですが、初見は何が起こったのか分からなかったです。
 ループ能力を持つキャラクターがカジュアルに絶命と蘇生を繰り返す、死んだ兵士がゾンビとして復活し、そのゾンビがまた他の兵士を殺しゾンビの連鎖、そしてそのゾンビに生きながら肉を食いちぎられる人、枚挙に暇がないほど命の価値が低くて驚きます。人が死なない話はないと思ってください。

◎とにかく何も言わずに読んでくれ

 ここまでつらつらと書いてきても尚、まだ山ほど書きたいことがあるくらい倫理観ボンバーなシーンが立て続けに発生するアンライトですが、とにかくもう読んでくれ。これ以上語るとネタバレになるので、もうなんでもいいから読んでください。メギドの客層と絶対丸被りなので。ていうか別にメギドやってなくても人が死ぬ話に興味があるなら読んでください。絶対好きだから。

 アンライトは前述した通り、様々な組織が出てきて思惑が入り乱れ、しかも年代もバラバラなので一人のストーリーを読んだだけではわからない場面や単語が多々出てきます(実際、わたしも半分も理解出来ているか怪しいところもあります)。でもそういうのは一旦置いといて大丈夫です。とにかくその激ヤバ世界観がハマれば勝手に覚えます。細かいことは置いといて、とにかく公式ページから推しを見つけて読みましょう。そこから関連キャラを読み進めていけばいいです。読んでください。
 とりあえず数キャラ読んでみて、あなたの好きなアンライトのエピソードを見つけてください。そして凄惨なストーリーに疲れたら、イベントストーリーを合間に挟んでほっこりしてください。

 長々とお付き合いいただきありがとうございました。何かあったら追記します。素敵なアンライトライフを(サービス終了)

フリゲ『すでに私たちは地獄のまっただ中でした。』布教記事

 名作フリーゲーム『すでに私たちは地獄のまっただ中でした。』の布教記事です。当作品はローゼンクロイツ氏が制作したRPGです。
 あまりに独特な世界観、グラフィック、そしてそのエログロナンセンスな絵面からは想像もできないほど味わい深いストーリーと、何から何まで好みのゲームだったのでこれは紹介せざるを得ないと思い、僭越ながら筆を取らせていただきました。

 ただこのゲーム、苦手な人は苦手な描写も多いです。見ての通りキャラデザなどはAA基調の可愛らしい感じなんですが、その絵柄に似合わないくらいグロくて気持ち悪い敵とか出てきますし、ストーリーのテーマ上仕方ないのですが、えげつない性のネタなども頻発します。幼女がひどい目にあうシーンもあります。ていうかそもそも街の人が話しかけるだけで「クズ、ゲロ、ビッチ」などの汚いスラングを連発します。2ちゃんねる(今は5ちゃんねるか)特有の用語も多いです。
 そういうエログロナンセンスな世界観が大丈夫な方はぴったりハマると思いますが、ダメな人は完全にダメだと思います。この時点で無理だと思ったら記事の閲覧をやめることを強くおすすめします。


◎ゲームのあらすじ

 主人公「マルクト」は非常に見目麗しい青年です。彼は多額の借金を残して蒸発した父親のせいで男娼に身を落としており、毎日男女問わず端金で抱かれ続ける日々を送っています。そのような生活なのでマルクトは街の人からは侮蔑の目で見られ、馬鹿にされており、この世の全てを憎んでいました。
 ある日、マルクトは父親の借金を肩代わりしているローゼンクロイツ卿(作者さんと同じ名前)の屋敷に呼び出されます。男娼の仕事だろうと屋敷に赴くのですが、ローゼンクロイツ卿は実は拷問が趣味のイカレ男。マルクトは屋敷で出会ったローゼンクロイツ卿の息子「フェイ」と共に命からがら屋敷から脱出します。屋敷から逃げた先で出会った不思議な女性「ペニシア」も含めた三人で各地を冒険することになり、その過程でマルクトは自分の生まれた意味、そして世界の秘密について知っていくことになります。

◎ヤバすぎる世界観

・まず何がヤバいって、ゲームを起動してすぐ主人公が汚いおっさんに抱かれ、しかもその賃金として500円を渡される世知辛いシーンでひっくり返りました。500円って、身体を売って500円って。さらに、家の外に出て表札を確認すると「インバイ便器男の家」と落書きされています。街はなんか海は緑色でわけのわからないタコのような化け物がいて、腐ってるみたいに溶けた女の人や明らかに植物の見た目をした老人などが普通に歩いています。この時点でめまいがします。

街の人がとにかく口が悪い。話しかけたら罵られるかバカにされるかの二択です。「昨日は厳つい男に抱かれてどんな気分だったの?」などの下世話系や、「お兄ちゃんってインバイなんでしょ〜??」と子どもに聞かれる心にくる系など本当に最悪。そもそも土地が荒れ果てているために作物も満足に育たず、人々の間では秒単位で猟奇殺人が連発するくらいの世紀末なので当たり前なのかもしれない。四方八方、どこを見ても汚いとち狂った世界です。

パーティメンバーのフェイがゲイなのですが、そのことをめちゃくちゃに罵られる。これ別に作者がゲイを否定しているとかではないのですが、(実際、むしろフェイは非常に誠実な人物であり、マルクトへの想いも一途で純粋なものとして描かれています)特に序盤、フェイがゲイであることを論ってすごい勢いで罵られるシーンがあります。普通につらくなります。

「カティクル病」という恐ろしい病が蔓延しており、各地に正気じゃない人がわんさかいる。このカティクル病というのが原因不明の病であり、かかってしまったら最後、目に見えるものが全て狂って見え、最終的には発狂して、身体がおぞましいバケモノに変わってしまうとんでもない病気です。治療法なども分かっておらず、人々はこの病の恐怖に怯えています。この病にかかっている人が色んなところにいて、話しかけることも出来るのですが、話しかけてもずっと意味不明なことを言うのでひどく恐怖を覚えます。ほんとに怖い。

基本的にみんなろくな目にあわない。こんな世界観なら仕方ないかもしれないんですけど、どうしようもないクズもいたいけな幼女も等しく酷い目にあいます。後味が悪くて最悪です。

物価の高騰ぶりが尋常じゃない。どこの店に行っても消耗品から装備品まで法外な値段で売られてます。普通にやってたんじゃ買えません。ていうか店の中で婦人に「あなたみたいな貧乏人が買うものじゃない」と罵られます。殺すぞ……ゲーム的な視点で言うと消耗品も装備品も大抵の物を全部拾っていく形になります。最強装備も拾えます。親切ゥ〜!(感覚麻痺)

行く先々で人間の醜さを見せられる。これほんとマジな話、ストーリーの展開上いろんな街を巡ることになるんですが、どこもほとんどろくな人間がいないというか、人間が醜く矮小で欲深いばっかりに起こった問題に巻き込まれまくります。これでもかと言うくらい人の汚さが描かれ続けます。

 とりあえず思いつくだけ羅列してみましたが、本当に大丈夫なのかと聞きたくなるくらい世紀末でヤバい世界観です。

◎実は愛を貫き通す話

・これだけ書くとただただ胸糞悪いだけのサブカルRPGっぽいんですが、その実このゲームのテーマは「愛」だと言っていいでしょう。「人はたとえ心が違っても誰かを想い、愛し合うことができるのか」、この答えを探す物語です。

「クソとゲロと愛に満ちた魂のRPGというキャッチコピーが、この作品を本当によく表しています。明日への希望も夢もない世界だけど、でも、たしかに愛が存在することが作中で証明されます。

・好きになった誰かを全力で守る、大切な人のために自ら汚名を被る…荒廃した世界では信じられないような尊い愛が描かれます。ネタバレになるので詳しく書けませんが、この他者を思いやり、愛する心が物語のキーとなっていきます。

・やがて物語は、当初は想像もできなかったスケールに広がっていきます。最初は意志のなかったマルクトが愛を知り、最後にどう決断するか…その顛末は是非自分の目で確認していただきたいです。ちなみに、エンディングは二種類あっておそらくこちらがトゥルーエンドだろうエンディングもあるのですが、もう片方のエンディングも味わい深いです。フェイはたとえどうあろうとマルクトを愛しているのだと、そう思わせられます。


 あまりにもエログロナンセンスで奇抜なデザイン、造形が気持ち悪い敵、中二病的なセンスの紹介文などなど…この作品をなんとなく倦厭したくなる要素は正直言って結構あると思います。世界のあまりの荒廃ぶり、人々の醜さを目のあたりにして、プレイを投げ出したくなる場面もあるかもしれません。
 でも、頑張って最後までプレイしてもらいたいです。それくらい素晴らしくて、考えさせられる深い作品です。愛の尊さ、生きる意味について問いかける名作フリーゲーム『すでに私たちは地獄のまっただ中でした。』お時間のある時にぜひいかがでしょうか?

超超超神フリゲ『冠を持つ神の手』の布教 システム編

 あまりにも全人類に神フリゲ『冠を持つ神の手』をプレイしてもらいたいので、とうとう布教記事を書くに至りました。本当に超超超神ゲーなので他所様にも布教記事は多数存在し、今更わたしが書くまでもないかと思ったのですが、わたしがこのゲームのどこを愛しているのか整理する意味も込めて書き連ねていきます。
 本当に本当に面白く、プレイしないのは人生の損失だと言いたいレベルの作品です。先っちょだけでも…先っちょだけでもプレイしていただきたいです…!お願いします…!!

 あまりにも長くなったので前後編に分けてまずはシステムについて書きます。とりあえずキャラクターや世界観から知りたい!という方はこれから執筆予定の世界観・キャラクター編を参照してください。
 長すぎるので全部読む気起きねえよ!!って人は赤字のところだけで大丈夫です。



そもそもどんなゲームなのか

サークル『小麦畑』さんが制作したフリーゲームです。信じられない超ボリュームなのにフリー(有償版も存在するのですが、なくても全然楽しめます)。流麗な文章、素晴らしいBGM、個性的なキャラクターと独特な世界観が彩る本作はフリーゲームの中でも随一のクオリティと面白さを誇る作品です。

・簡単に言うと、アドベンチャーゲームと育成ゲームを掛け合わせたようなシステムです。有名なゲームだと『ときめきメモリアル』シリーズが近いのではないでしょうか。

主人公(デフォルトネーム:レハト)は王城に連れてこられた田舎者であり、事情により王を目指して(なお、プレイ方針によっては目指さなくてもいい)一年を王城で過ごすことになります。ここで自分の能力を磨きながら城の人と交流し、主人公が最終的にどのような結末をたどるか見守る…というのが大まかな流れです。異世界ファンタジーです。

・田舎者の主人公がなぜ王城に連れてこられたのかを詳しく説明すると長くなりますが、簡単に言うと額に王の徴があったからです。この国の王は世襲制ではなく、生まれつき額に王の徴がある者のみが王になれるという独特の制度をとっています(王の徴は神が授けた徴であるという宗教観)。主人公にはその王の証が何故か存在していたという話です。この王の徴が様々な思惑を生み、騒動を巻き起こしていきます。

プレイ方針によって主人公を様々な性格にできます。聖人からドクズまで思うがままです。目をむくような信じられない選択肢も多く、侍女が丹精込めて縫ってくれたケープを目の前で引きちぎることができます。人宛てに届いた手紙を勝手に受け取った挙句、中身を盗み見て捨てることができます。村を焼けます。人を刺せます。毒を盛れます。屋上から突き落とせます。処刑することもできます。ほんとになんでもアリです。

エンディングがキャラクターごとに大きく分けて「愛情」「憎悪」「友情」「殺害」「裏切り」の5種類あります。さらに細かい分岐なども合わせるとざっと100種類くらいあります。怖い。それぞれのエンディングでキャラクターは全く違う顔を見せてくれます。一通りエンディングを見ないとキャラクターの本質が見えてこないところが、いかにも人間臭くて最高です。

・エンディングの分類にあるように、このゲームは攻略対象と憎みあったり、果ては殺してしまうことも出来る珍しいゲームです。殺し方も様々にあり、推しを刺したい!という方のニーズにもバッチリ応えます。

・あとこのゲーム、上で書いたようにときメモに似たシステムなのでキャラクターの並行攻略が可能です。頑張れば最大で五股くらい出来ます。あと、何人か殺す殺人鬼プレイもできます。最低…

基本的な流れ

・前提として、このゲームは10日で1週間としている世界観です。そのうち1日から4日までが育成パート1、5日に中日、6日から9日が育成パート2、10日は休日です。これを作中の一年間繰り返すのが基本的な流れです。

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育成パートはその名の通り、訓練を選んで主人公のパラメータをあげる日です。訓練内容を選べば後は自動で上がります。パラメータは非常に重要であり、そもそも王になるのに一定以上のパラメータが必要な他、このパラメータが足りなかったからイベントが遂行できなかった!、同じ選択肢でもパラメータの違いによってキャラクターからの反応が違う、ということが頻発します。能力次第では最悪死に至ったり、誰かを死に至らしめたりします。マジです。

中日パートは、現時点で出現条件を満たしているイベントが自動で選ばれて、小話のようなものが出ます。詰めプレイをする時はどのイベントが出現するかかなり気にしなくてはいけませんが、最初の頃は気にせずにイベント内容を楽しんでいればいいです。

休日パートでは城の好きな場所をお散歩できます。その場所にキャラクターがいれば、そのキャラとの会話イベントが発生します。中日より長めのイベントです。選択肢によって好感度が上下し、場合によってはパラメータにも変化があります。主に好感度、印象度はここで稼ぐことになります。また、月の終わりが近づいてくると御前試合(剣術の大会的なやつ)と舞踏会が開催され、任意で参加出来ます。王になるには隠しパラメータである「名声」が必要で、名声は主にこのふたつのイベントでガッツリ稼ぎます。

月の終わりの日には現王に自分の城での評価を聞くイベントが挟まれます。パラメータ、名声、人間関係によって「取り柄もない田舎者」や「才走った王候補」、「万能の神の使者」などなどの称号を付けてもらえます。浮気プレイをしてたりすると「浮気者」という称号をつけられたりして面白いです。

印象度システム(※超重要)

・「好感度」の他に印象度」というシステムが存在します。これは一般的な恋愛、交流ゲームでよくある「好感度」の逆で、「キャラクターから主人公への好感度」ではなく、「主人公からキャラクターへの好感度」を表します。

印象度はひとつのイベントが終わる度に入力画面が表示され、プレイヤー自身が自由に決めることができます。例えばものすごく嫌味なキャラクターが出てきた時、「初対面からなんだお前は!嫌な奴め!」と思えば嫌いだと数値を入力すればいいし、逆に「こんなこと言っておいて、実は良い奴なんでしょ?」と感じるなら好きに数値を入力すればいいです。友好的なキャラが出てきたとして、主人公に「すごく親切な人!好き!」と思わせるも「裏があるに違いない!」と感じさせるもあなた次第なのです。

・また、印象度と好感度は二層構造になっています。愛憎軸と友嫌軸があります。愛憎軸は「許容」、友嫌軸は「共感」を表します。

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・同じ嫌いでも「近寄って行って嫌がらせしてやりたい!不幸になれ!」って感情(憎悪)と、「顔も見たくない、近寄りたくない。苦手」という感情(嫌悪)がありますよね?そういうのを分けることが出来るシステムなわけです。同じように好きも「相手を受け入れ、愛おしく思っている」という好き(愛情)と、「相手に共感し、親近感を感じている」という好き(友情)が存在しています。

・また、二層構造になっているので相手に共感しているが許容はできない、という同族嫌悪で面倒な感情にすることももちろんできます。

この印象度により選べる選択肢が限られる場面があります。嫌っている人に愛は囁けないし、愛している人を冷たく突き放すことは出来ないのです。

印象度は好感度にも影響します。キャラクターや条件にもよりますが、自分の印象度によって、相手の好感度が同じように上がったり下がったりする引きずられが発生します。

印象度がある一定の値まで貯まると、禁断の「反転」システムが使えるようになります。これは貯めに貯めた印象を真逆に変換できるシステムで、今まで愛していた人に突然憎しみを抱いたり、親友だったのに顔も見たくなくなったり、逆に大嫌いだったのに急に大好きに…という感じです。ここぞ!と言う時に使うボタンで、これを使わないと到達できないエンディングもあります。

・「反転」は主人公だけのものではありません。キャラクターも同様に、主人公がキャラクターの地雷を踏めば容赦なく反転してきます。

・余談ですが、印象度をどう振ったかによって感情に名前がつきます。「一心同体」、「相容れない半身」、「その憎悪は友情の上を」など非常にセンスのあるものばかりです。最高です。

性別選択(※超重要)

主人公は作中の世界の未成年なのですが、性別がありません。無性です。物語の最後も最後、エンディングの直前に性別を選ぶという斬新なシステムです。

・つまり、作中に出てくる主要人物なら男女問わず恋愛関係を結ぶことができます。さらに、キャラクターと恋愛関係になっておきながら最後の最後に同じ性別を選び、関係をぶち壊すことが可能です。その場合、特例を除いてハッピーエンドにはなれませんが、それ専用の裏切りエンディングを見ることが出来ます。これが切なかったり主人公がクソだったりほんとにやばい。

・これはシステム面とは関係ない設定の話ですが、このような性別の民族のため、「姉」や「妹」などの女性を指す言葉がありません(母、父はあるのですが…)。女性であっても「弟」、「子息」と呼ばれるため、初めは混乱します。

・性別選択をしたあと身体が徐々に変わっていくのですが、その間は世俗から切り離されて生活する「籠り」という期間に入ります。この籠りの間に精神が不安定だったりすると、籠りを越えられず死んでしまう人も出るというなかなかシビアな世界です。

その他諸々

・正直言って難易度はかなり高いです。ひとつでもエンディングをクリアすればオープンするページにエンディングのヒントが載っていますが、それでも慣れないうちは自力で辿り着くのが難しいルートが多く、最初のうちは割り切って攻略サイトを見ながら攻略しても全然いいくらいです。

・それでもやはり自力でクリアしたい!と思う方には、もう1人の王候補「ヴァイル」の恋愛ルートか友情ルートをとりあえず目指すことをオススメします。彼の恋愛、友情ルートはかなり王道な感じで進みますし、何より冠を持つ神の手の中では簡単な部類です。世界観を大まかに把握する意味も込めて、とてもよいシナリオだと思います。もちろん、気になったキャラから攻略するのも立派なやり方です。全てプレイヤーの自由です。



 まだまだ書き足りないのですが、とりあえずこの辺で…もしかしたら思い出した時に加筆修正するかもしれません。この記事を見て、少しでも興味を持ってくれた方がいるならファン冥利に尽きます。小麦畑さんが生み出した神ゲー、ぜひプレイしてください。おねがいします!!!

 続いてキャラクター・世界観編を執筆しようと思います。しばしお待ちください……