布教したいゲームの話をする

あまりにも好きすぎて布教したいゲームの話を延々と垂れ流します。

超超超神フリゲ『冠を持つ神の手』の布教 システム編

 あまりにも全人類に神フリゲ『冠を持つ神の手』をプレイしてもらいたいので、とうとう布教記事を書くに至りました。本当に超超超神ゲーなので他所様にも布教記事は多数存在し、今更わたしが書くまでもないかと思ったのですが、わたしがこのゲームのどこを愛しているのか整理する意味も込めて書き連ねていきます。
 本当に本当に面白く、プレイしないのは人生の損失だと言いたいレベルの作品です。先っちょだけでも…先っちょだけでもプレイしていただきたいです…!お願いします…!!

 あまりにも長くなったので前後編に分けてまずはシステムについて書きます。とりあえずキャラクターや世界観から知りたい!という方はこれから執筆予定の世界観・キャラクター編を参照してください。
 長すぎるので全部読む気起きねえよ!!って人は赤字のところだけで大丈夫です。



そもそもどんなゲームなのか

サークル『小麦畑』さんが制作したフリーゲームです。信じられない超ボリュームなのにフリー(有償版も存在するのですが、なくても全然楽しめます)。流麗な文章、素晴らしいBGM、個性的なキャラクターと独特な世界観が彩る本作はフリーゲームの中でも随一のクオリティと面白さを誇る作品です。

・簡単に言うと、アドベンチャーゲームと育成ゲームを掛け合わせたようなシステムです。有名なゲームだと『ときめきメモリアル』シリーズが近いのではないでしょうか。

主人公(デフォルトネーム:レハト)は王城に連れてこられた田舎者であり、事情により王を目指して(なお、プレイ方針によっては目指さなくてもいい)一年を王城で過ごすことになります。ここで自分の能力を磨きながら城の人と交流し、主人公が最終的にどのような結末をたどるか見守る…というのが大まかな流れです。異世界ファンタジーです。

・田舎者の主人公がなぜ王城に連れてこられたのかを詳しく説明すると長くなりますが、簡単に言うと額に王の徴があったからです。この国の王は世襲制ではなく、生まれつき額に王の徴がある者のみが王になれるという独特の制度をとっています(王の徴は神が授けた徴であるという宗教観)。主人公にはその王の証が何故か存在していたという話です。この王の徴が様々な思惑を生み、騒動を巻き起こしていきます。

プレイ方針によって主人公を様々な性格にできます。聖人からドクズまで思うがままです。目をむくような信じられない選択肢も多く、侍女が丹精込めて縫ってくれたケープを目の前で引きちぎることができます。人宛てに届いた手紙を勝手に受け取った挙句、中身を盗み見て捨てることができます。村を焼けます。人を刺せます。毒を盛れます。屋上から突き落とせます。処刑することもできます。ほんとになんでもアリです。

エンディングがキャラクターごとに大きく分けて「愛情」「憎悪」「友情」「殺害」「裏切り」の5種類あります。さらに細かい分岐なども合わせるとざっと100種類くらいあります。怖い。それぞれのエンディングでキャラクターは全く違う顔を見せてくれます。一通りエンディングを見ないとキャラクターの本質が見えてこないところが、いかにも人間臭くて最高です。

・エンディングの分類にあるように、このゲームは攻略対象と憎みあったり、果ては殺してしまうことも出来る珍しいゲームです。殺し方も様々にあり、推しを刺したい!という方のニーズにもバッチリ応えます。

・あとこのゲーム、上で書いたようにときメモに似たシステムなのでキャラクターの並行攻略が可能です。頑張れば最大で五股くらい出来ます。あと、何人か殺す殺人鬼プレイもできます。最低…

基本的な流れ

・前提として、このゲームは10日で1週間としている世界観です。そのうち1日から4日までが育成パート1、5日に中日、6日から9日が育成パート2、10日は休日です。これを作中の一年間繰り返すのが基本的な流れです。

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育成パートはその名の通り、訓練を選んで主人公のパラメータをあげる日です。訓練内容を選べば後は自動で上がります。パラメータは非常に重要であり、そもそも王になるのに一定以上のパラメータが必要な他、このパラメータが足りなかったからイベントが遂行できなかった!、同じ選択肢でもパラメータの違いによってキャラクターからの反応が違う、ということが頻発します。能力次第では最悪死に至ったり、誰かを死に至らしめたりします。マジです。

中日パートは、現時点で出現条件を満たしているイベントが自動で選ばれて、小話のようなものが出ます。詰めプレイをする時はどのイベントが出現するかかなり気にしなくてはいけませんが、最初の頃は気にせずにイベント内容を楽しんでいればいいです。

休日パートでは城の好きな場所をお散歩できます。その場所にキャラクターがいれば、そのキャラとの会話イベントが発生します。中日より長めのイベントです。選択肢によって好感度が上下し、場合によってはパラメータにも変化があります。主に好感度、印象度はここで稼ぐことになります。また、月の終わりが近づいてくると御前試合(剣術の大会的なやつ)と舞踏会が開催され、任意で参加出来ます。王になるには隠しパラメータである「名声」が必要で、名声は主にこのふたつのイベントでガッツリ稼ぎます。

月の終わりの日には現王に自分の城での評価を聞くイベントが挟まれます。パラメータ、名声、人間関係によって「取り柄もない田舎者」や「才走った王候補」、「万能の神の使者」などなどの称号を付けてもらえます。浮気プレイをしてたりすると「浮気者」という称号をつけられたりして面白いです。

印象度システム(※超重要)

・「好感度」の他に印象度」というシステムが存在します。これは一般的な恋愛、交流ゲームでよくある「好感度」の逆で、「キャラクターから主人公への好感度」ではなく、「主人公からキャラクターへの好感度」を表します。

印象度はひとつのイベントが終わる度に入力画面が表示され、プレイヤー自身が自由に決めることができます。例えばものすごく嫌味なキャラクターが出てきた時、「初対面からなんだお前は!嫌な奴め!」と思えば嫌いだと数値を入力すればいいし、逆に「こんなこと言っておいて、実は良い奴なんでしょ?」と感じるなら好きに数値を入力すればいいです。友好的なキャラが出てきたとして、主人公に「すごく親切な人!好き!」と思わせるも「裏があるに違いない!」と感じさせるもあなた次第なのです。

・また、印象度と好感度は二層構造になっています。愛憎軸と友嫌軸があります。愛憎軸は「許容」、友嫌軸は「共感」を表します。

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・同じ嫌いでも「近寄って行って嫌がらせしてやりたい!不幸になれ!」って感情(憎悪)と、「顔も見たくない、近寄りたくない。苦手」という感情(嫌悪)がありますよね?そういうのを分けることが出来るシステムなわけです。同じように好きも「相手を受け入れ、愛おしく思っている」という好き(愛情)と、「相手に共感し、親近感を感じている」という好き(友情)が存在しています。

・また、二層構造になっているので相手に共感しているが許容はできない、という同族嫌悪で面倒な感情にすることももちろんできます。

この印象度により選べる選択肢が限られる場面があります。嫌っている人に愛は囁けないし、愛している人を冷たく突き放すことは出来ないのです。

印象度は好感度にも影響します。キャラクターや条件にもよりますが、自分の印象度によって、相手の好感度が同じように上がったり下がったりする引きずられが発生します。

印象度がある一定の値まで貯まると、禁断の「反転」システムが使えるようになります。これは貯めに貯めた印象を真逆に変換できるシステムで、今まで愛していた人に突然憎しみを抱いたり、親友だったのに顔も見たくなくなったり、逆に大嫌いだったのに急に大好きに…という感じです。ここぞ!と言う時に使うボタンで、これを使わないと到達できないエンディングもあります。

・「反転」は主人公だけのものではありません。キャラクターも同様に、主人公がキャラクターの地雷を踏めば容赦なく反転してきます。

・余談ですが、印象度をどう振ったかによって感情に名前がつきます。「一心同体」、「相容れない半身」、「その憎悪は友情の上を」など非常にセンスのあるものばかりです。最高です。

性別選択(※超重要)

主人公は作中の世界の未成年なのですが、性別がありません。無性です。物語の最後も最後、エンディングの直前に性別を選ぶという斬新なシステムです。

・つまり、作中に出てくる主要人物なら男女問わず恋愛関係を結ぶことができます。さらに、キャラクターと恋愛関係になっておきながら最後の最後に同じ性別を選び、関係をぶち壊すことが可能です。その場合、特例を除いてハッピーエンドにはなれませんが、それ専用の裏切りエンディングを見ることが出来ます。これが切なかったり主人公がクソだったりほんとにやばい。

・これはシステム面とは関係ない設定の話ですが、このような性別の民族のため、「姉」や「妹」などの女性を指す言葉がありません(母、父はあるのですが…)。女性であっても「弟」、「子息」と呼ばれるため、初めは混乱します。

・性別選択をしたあと身体が徐々に変わっていくのですが、その間は世俗から切り離されて生活する「籠り」という期間に入ります。この籠りの間に精神が不安定だったりすると、籠りを越えられず死んでしまう人も出るというなかなかシビアな世界です。

その他諸々

・正直言って難易度はかなり高いです。ひとつでもエンディングをクリアすればオープンするページにエンディングのヒントが載っていますが、それでも慣れないうちは自力で辿り着くのが難しいルートが多く、最初のうちは割り切って攻略サイトを見ながら攻略しても全然いいくらいです。

・それでもやはり自力でクリアしたい!と思う方には、もう1人の王候補「ヴァイル」の恋愛ルートか友情ルートをとりあえず目指すことをオススメします。彼の恋愛、友情ルートはかなり王道な感じで進みますし、何より冠を持つ神の手の中では簡単な部類です。世界観を大まかに把握する意味も込めて、とてもよいシナリオだと思います。もちろん、気になったキャラから攻略するのも立派なやり方です。全てプレイヤーの自由です。



 まだまだ書き足りないのですが、とりあえずこの辺で…もしかしたら思い出した時に加筆修正するかもしれません。この記事を見て、少しでも興味を持ってくれた方がいるならファン冥利に尽きます。小麦畑さんが生み出した神ゲー、ぜひプレイしてください。おねがいします!!!

 続いてキャラクター・世界観編を執筆しようと思います。しばしお待ちください……